こんにちは。
今回は、地方の飲食店様への支援事例を通じて、データ活用による経営改善のポイントをお伝えします。
目次
課題:顧客属性の把握と来店波の平準化
今回支援させていただいたのは、地方で展開する飲食店です。一定の顧客は確保できているものの、来店の波が大きいという課題を抱えていました。
経営者の方は、以下のような悩みを抱えていました:
- 顧客の属性がよくわからない
- 効果的な施策やHPの改善方法が不明確
- 顧客ニーズの把握が感覚的
- 従業員の状態やモチベーションが見えにくい
これらの課題に対し、コストをかけずに解決する方法を提案しました。
解決策:Google Formを活用した無料アンケート
コスト面を考慮し、無料で利用できるGoogle Formのアンケート機能を活用することにしました。具体的な実施方法は以下の通りです:
- アンケートへ遷移するQRコードを作成
- 食事が落ち着いた顧客へ接客時にQRコードを案内
- スマートフォン操作が難しそうな顧客向けに紙のアンケートも用意
顧客向けアンケートの質問内容
- 年齢
- 居住市町村
- 来店回数
- 来店理由
- 閲覧した媒体(HP、食べログ、GoogleMap、SNSなど)
- 来店後気になった点
- 取り扱ってほしいメニュー
従業員向けアンケートの質問内容
- 役職
- 店舗の魅力
- 改善要望
- 店舗の来客層・時間(定性的な回答)
- 顧客からよく聞かれること
- 店舗のブランドイメージ
- 働くモチベーション
アンケート回収率向上のための工夫
アンケートの回答率を上げるため、以下の施策を実施しました:
- アンケート回答者向けのクーポン配布
- 回答状況に応じたクーポン内容の調整
これらの工夫により、100通以上の回答を集めることができました。
データ分析から得られたインサイト
収集したデータを分析し、お客様と話す中で、以下のような発見が得られました:
初回来店客の割合が予想以上に高い
- 従業員の感覚では、リピート客が多いと思われていましたが、実際には初回来店客も少なくありませんでした。
- 対策: 初めて来店した方向けのわかりやすいメニューの開発が必要
顧客の年代層が2つに大きく分かれている
- 広く世代が分散しているのではなく、大きく2つの年代層が来店していることが判明しました。
- これにより、総花的なメニューではなく、2つに絞ったメニューを検討することが出来ます。
- 対策: 各年代層に合わせたメニューや雰囲気作りの検討
従業員からの新たな気づき
- 経営者が気づいていなかった店舗の魅力や改善点が浮き彫りになりました。
- 具体的には、インバウンドの方が来ているのでメニューを増やすこと、夜看板が見えづらいため、工夫したほうが良いなどがありました。
- 対策: 従業員の意見を積極的に取り入れた店舗運営の実施
このように、無料のツールでも、ここまでの情報を集め、店舗運営に活かすことができます。
データ活用による具体的な改善策
アンケート結果を基に、以下のような改善策を実施しました:
- ホームページの最適化
- 顧客属性に合わせたコンテンツの充実
- 初回来店客向けの情報を追加
- メニューの見直し
- 年代別の人気メニューを分析し、新メニューを開発
- 初回来店客向けのおすすめセットを作成
- マーケティング戦略の再構築
- 効果的な広告媒体の選定
- 来店理由を基にしたプロモーション企画
- 従業員満足度の向上
- 従業員からの提案を積極的に採用
- モチベーション向上につながる施策の実施
成果:コストゼロで実現した経営改善
この取り組みにより、以下のような成果が得られました:
- 顧客属性の明確化
- データに基づいたターゲット設定が可能に
- 来店波の平準化
- 各時間帯の顧客層に合わせた施策により、来店波が改善
- 従業員満足度の向上
- 従業員の声を反映することで、モチベーションアップ
まとめ:データ活用が中小企業の競争力を高める
今回の事例から、以下のポイントが重要であることがわかりました:
- コストをかけずにデータ収集が可能
- 無料ツールを活用することで、中小企業でも実施可能
- 顧客と従業員の声を同時に聞く
- 多角的な視点で店舗の課題を把握
- データに基づいた意思決定
- 感覚ではなく、事実に基づいた経営改善が可能
- 継続的な改善サイクルの構築
- 定期的なアンケート実施により、変化を捉える
中小企業の皆様、特に飲食店経営者の方々にとって、このようなデータ活用は非常に有効です。コストをかけずに始められる方法もありますので、ぜひチャレンジしてみてください。
経営改善やデータ活用についてご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
皆様の事業成長のお手伝いをさせていただきます。
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